自然素材の安全性

【耐震性はあるか】

コンクリートではない木造住宅は地震に弱い、耐震性能で劣るのではと思われていますがそんな心配は遠い過去の話です。 何十年も昔に建てられた木造住宅は確かに地震に対して脆いのですが、これから建設しようとする建物なら現在の建築基準法にも適合しますので、 耐震性能に疑問を持たなくても大丈夫でしょう。 実際に最近建てられた木造住宅と古いコンクリート製の住宅を比較すると、最新型の自然素材の家の方が揺れに対して強固に造られています。 今日本にある建造物で安全性能の心配をしなければならないのは古い建物であり、建築基準法が改正される以前に誕生した物は耐震性能に不安ありといえます。 木造住宅だから地震に弱い、ということは決してないのですが、そこを勘違いしている方が多くみられます。 無垢材にはコンクリートに匹敵する強度が備わっていますし、耐震性能で負けるわけがないのですが木材のイメージはどうも弱々しいらしいのです。

【火災時の心配】

また火災発生時にも木材に囲まれている自然素材の家は危険だと思われていますが、近頃では不燃材や不燃加工された建材もありますのでそう危険でもないでしょう。 火の手が上がってもキャンプファイヤーのように燃え盛ることはなく、火の勢いを止めてくれる不燃材を使用していれば火災時にも内部の人は避難しやすいです。 木造住宅だから火が広がるのも早い、というのは不燃材のなかった時代に建造された木造の建物であり、現代の木造住宅には当てはまりません。 これらのことを考えると安全性能で木造住宅が劣る理由はなく、コンクリ製の建物にも遜色ない性能であることが理解してもらえるでしょう。 古い建物ほど安全性で劣りますが、古い建物の多くが木造であるから間違った先入観で下に見られていることが残念でしかたありません。 また火災についてですが、一番恐いのは火ではなく煙です。 建物内のいろいろな物質が燃える際に発生する煙や有害なガスが避難を妨げて、人的被害を拡大させるのがこの災害の恐いところです。 ここから脱出したいけど煙が凄くて進めない、煙さえなければダッシュで逃げ出せるのに困ったな、火事で建物に取り残された人は みんなそう思いながら生存確率を高める手段を左右や前後、時には上下を観察して探します。 燃えているだけならちょっと熱いのを我慢すれば通りぬけられるルートはいくつかみつけられますが、煙やガスがそれを妨害するので生存率が下がるのです。 ここを進めば屋外に脱出できそうな気がするけど煙のせいで前が見えない、そう選択肢を狭められることもあるでしょう。 火事で焼け死んでしまう人の多くは煙さえなければ助かっていた可能性もあり、炎よりも煙の方が危険であるのです。 その煙や有毒ガスはどこから発生するのか、それは化学化合物の使われている建材などが主な発生源になります。 漆喰の壁は火災時に大量の煙を生み出しはしませんが、ビニール製のクロスは黒い煙を撒き散らしますし、接着剤も有毒ガスを生み出します。 無添加住宅なら煙も少なくて人命もいくつか助かっただろうに、というケースもありますし、災害では一般的な住宅よりも自然素材の家のほうが安全であると 考えてもいいのではないでしょうか。 安全性能が高いのは丈夫な鉄筋コンクリートで造られた建築物だ、と言い張る人もまだまだいるようですが、今の時代木造でも頑丈で安全な住宅は 容易く建造することができてしまうので、いつまでも古い常識に捉われててはいけません。 建材を選んでデザイン設計すれば、コンクリの建物よりも安全で災害時の被害を抑えてくれる頼もしい住居を完成させることが可能なのです。

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